大阪中央公会堂の特別室を見学できるガイドツアーに参加してきました。きっかけは仁徳天皇の「民のかまど」を描いた絵画を見たかったから。
天井画やステンドグラスなど、どこを見ても美しい特別室を堪能したあと、レストラン「アウェイク」でコースランチがいただけるツアーです。
大阪中央公会堂のガイドツアーは2コース
大阪中央公会堂の特別室に入れるガイドツアーは2種類のコースがあります。
コース | 内容 | 料金 |
ベーシックコース | ガイドツアー30分 | 500円 |
スペシャルコース | ガイドツアー30分 コースランチ |
2,000円 |
ほぼ週1日ペース(10時、11時スタートの2回)で開催されていて、定員は各回30名。事前予約が必要ですが、空席があれば当日参加もできます。料金は当日払いです。
ガイドツアー当日は受付からスタート
ガイドツアー当日は事務室で受付をして、参加証、引換券(プレゼント・ランチ)を受け取ります。そのあと地下1Fにある展示室で公会堂の歴史に触れ、3Fの特別室を見学します。
![受付をすると参加証、パンフなどが渡されます](https://aroundkansai.com/wp-content/uploads/osaka-chuokokaido-guidetour_a2.jpg)
受付をすると参加証、パンフなどが渡されます
展示室で公会堂の歴史に触れる
ガイドツアーは公会堂のスタッフさんが案内してくれます。まずは地下1Fにある展示室で公会堂の歴史、修復などの解説がありました。この展示室は無料で自由に見学できるエリアです。
![展示室で公会堂の歴史に耳をかたむけます](https://aroundkansai.com/wp-content/uploads/osaka-chuokokaido-guidetour_b.jpg)
展示室で公会堂の歴史に耳をかたむけます
公会堂の特別室は見どころがもりだくさん!
そしていよいよ3Fにある特別室に移動します。創建された大正時代、貴賓室として使われていた特別室には、いたるところに芸術品が!部屋に入ったとたん「すごい!」「うわ~」といった声があがります。
![特別室ではみなさんスマホ片手に写真を撮っています](https://aroundkansai.com/wp-content/uploads/osaka-chuokokaido-guidetour_b1.jpg)
特別室ではみなさんスマホ片手に写真を撮っています
天井、壁面には日本神話をモチーフにした絵画、窓には美しいステンドグラスなど見どころがいっぱいです。写真撮影OKで、動画はNGです。聞きなれない用語はパネルで表示してくれます。それでは見どころをご紹介しますね。
天井画のテーマは日本神話・天地開闢(てんちかいびゃく)
天井には伊邪那岐(イザナギ)・伊邪那美(イザナミ)の二神が天津神(アマツカミ)から国づくりのために用いる天の瓊矛(あめのぬぼこ)を授かる場面が。
![天地開闢(てんちかいびゃく)を描いた天井画](https://aroundkansai.com/wp-content/uploads/osaka-chuokokaido-guidetour_b2.jpg)
天地開闢(てんちかいびゃく)を描いた天井画
洋画家の松岡壽(ひさし)氏によって描かれました。
![イザナギ、イザナミが天の瓊矛(あめのぬぼこ)を授かるため手を広げています](https://aroundkansai.com/wp-content/uploads/osaka-chuokokaido-guidetour_b3.jpg)
イザナギ、イザナミが天の瓊矛(あめのぬぼこ)を授かるため手を広げています
![天の瓊矛(あめのぬぼこ)を手にしたアマツカミ](https://aroundkansai.com/wp-content/uploads/osaka-chuokokaido-guidetour_b4.jpg)
天の瓊矛(あめのぬぼこ)を手にしたアマツカミ
仁徳天皇「民のかまど」の逸話を描いた壁画
アーチ状の壁面に描かれているのは仁徳天皇(中央)です。仁徳天皇は難波の地に都をおき、大阪の地をひらいたとされています。この絵画は「民のかまど」として知られている、民の暮らしに思いをはせる仁徳天皇を描いています。
![「民のかまど」の逸話が描かれています](https://aroundkansai.com/wp-content/uploads/osaka-chuokokaido-guidetour_b5.jpg)
「民のかまど」の逸話が描かれています
「民のかまど」って?
仁徳天皇4年、上町台地から国をみると煮炊きをするかまどの煙が上がっていないことに気づきました。「これは民が貧しいからである。3年間の課税を免除する」と仰せになりました。
実は大仙古墳に行って仁徳天皇に興味を持ち、ここに描かれた仁徳天皇にお会いしたくてガイドツアーに参加しました。
![仁徳天皇(中央)](https://aroundkansai.com/wp-content/uploads/osaka-chuokokaido-guidetour_b6.jpg)
仁徳天皇(中央)
壁にも神々が描かれています
南北の壁には大阪の商工業の繁栄を願って、商業の神様・素戔嗚尊(スサノオノミコト)、工業の神様・太玉命(フトダマノミコト)が向かい合うように描かれています。
![スサノオノミコト(中央)のひげが杉の木になり、その杉で船を作り、金銀・土器を輸入したと伝えられています](https://aroundkansai.com/wp-content/uploads/osaka-chuokokaido-guidetour_b7.jpg)
スサノオノミコト(中央)のひげが杉の木になり、その杉で船を作り、金銀・土器を輸入したと伝えられています
![フトダマノミコト(中央)、足元には機を織る女性、左には鏡を持つ女性、右には勾玉をみがく男性が描かれています](https://aroundkansai.com/wp-content/uploads/osaka-chuokokaido-guidetour_b8.jpg)
フトダマノミコト(中央)、足元には機を織る女性、左には鏡を持つ女性、右には勾玉をみがく男性が描かれています
窓いっぱいに広がるステンドグラスには大阪市章も
ステンドグラスには大阪市の市章・澪標(みおつくし)と鳳凰がデザインされています。澪標は海上での標識。大阪湾は遠浅であったため、舟が進める深さのある航路がわかるように使われていました。中央の円を囲むように四隅にある、白いリボンのような装飾が澪標です。
![窓一面にステンドグラスが広がります](https://aroundkansai.com/wp-content/uploads/osaka-chuokokaido-guidetour_b9.jpg)
窓一面にステンドグラスが広がります
また赤い円形のガラスに凸レンズがたくさん埋め込まれていて、外の景色がさかさまに見えます。このレンズは窓から入る光を室内に拡散させているそうです。
![凸レンズから見ると景色が上下さかさまに](https://aroundkansai.com/wp-content/uploads/osaka-chuokokaido-guidetour_b10.jpg)
凸レンズから見ると景色が上下さかさまに
ステンドグラスにかかるカーテンは龍村が復原
ステンドグラスの前にはカーテンがかかり、京都の老舗、龍村美術織物が復原したもの。法隆寺の宝物「四騎獅子狩文錦(しきししかりもんきん)」からとった織物で、ペガサスにまたがる四人の騎手が獅子に矢を射ようとしています。
![龍村が復原したカーテン。オリジナルは展示室で見ることができます](https://aroundkansai.com/wp-content/uploads/osaka-chuokokaido-guidetour_b13.jpg)
龍村が復原したカーテン。オリジナルは展示室で見ることができます
![カーテンには豪華なタッセルも](https://aroundkansai.com/wp-content/uploads/osaka-chuokokaido-guidetour_b14.jpg)
カーテンには豪華なタッセルも
扉には木工象嵌(もっこうぞうがん)が
扉の装飾は絵画ではなく、色の異なる木をぴったりとはめこんで花やモチーフを表現しています。
![扉には木工象嵌](https://aroundkansai.com/wp-content/uploads/osaka-chuokokaido-guidetour_b11.jpg)
扉には木工象嵌
鳳凰の刺繍がほどこされたタペストリー
白いタペストリーも絵画ではなく、刺繍で鳳凰を表現しています。近くで見ても刺繍とわからないくらいです。
![鳳凰を刺繍で表現したタペストリー](https://aroundkansai.com/wp-content/uploads/osaka-chuokokaido-guidetour_b12.jpg)
鳳凰を刺繍で表現したタペストリー
床には凝った加工がされた天然大理石
特別室の床には天然の大理石が使われています。白とグレーが交互になっていますが、この大理石は9枚を並べているのではなく、1枚の大理石が9枚に見えるように筋を入れています。現在ではこの加工ができる職人はいないそうです。
![1枚の大理石にスジを入れて9枚に見せている大理石](https://aroundkansai.com/wp-content/uploads/osaka-chuokokaido-guidetour_b15.jpg)
1枚の大理石にスジを入れて9枚に見せている大理石
大理石には古代生物の化石が入っていることがあり、白い不規則な模様に見えるところが化石だそうです。わかりやすい大きな化石を教えてもらいました。こちらはシカマイヤという巨大な二枚貝の化石。
![巨大な二枚貝、シカマイヤの化石](https://aroundkansai.com/wp-content/uploads/osaka-chuokokaido-guidetour_b16.jpg)
巨大な二枚貝、シカマイヤの化石
この特別室、現在は挙式やCM、雑誌の撮影に使われることが多いそうです。アンケートを記入して30分のガイドツアーは終了です。短時間ですが説明もわかりやすく、とても充実したひとときでした。
レストラン「アウェイク」のコースランチ
スペシャルコースにはレストラン「アウェイク」での特別コースランチがついています。店内は公会堂のレンガを活かしつつもモダンなインテリア。広い空間は全席禁煙、席の間隔もゆったりめで居心地いいです。
![公会堂にあるレストラン「アウェイク」の店内](https://aroundkansai.com/wp-content/uploads/osaka-chuokokaido-guidetour_c2.jpg)
公会堂にあるレストラン「アウェイク」の店内
レストランは申込みしたグループ単位で席へ案内してもらえるので、1人参加でも気兼ねなくランチできます。
この日のメニューはこちら。
ガイドツアー特別メニュー
・若鶏もも肉のロティ タンドリー風 さっぱりとしたレモンコンフィのソース
・パン
・ワンドリンク
ポタージュはにんじんのほのかな甘みがあって、冷たくて美味しい♪パンにつけて全部いただきました。
![にんじんの冷製ポタージュ、パン](https://aroundkansai.com/wp-content/uploads/osaka-chuokokaido-guidetour_c3.jpg)
にんじんの冷製ポタージュ、パン
鶏肉はスパイシーで柔らかいです。下に敷いてあるのはパスタかと思いきや、ポテトの千切ソテー。フォークに巻き付かず、食べるのにやや苦戦しました。食後のコーヒーもついています。
![若鶏もも肉のロティ タンドリー風](https://aroundkansai.com/wp-content/uploads/osaka-chuokokaido-guidetour_c4.jpg)
若鶏もも肉のロティ タンドリー風
こちらのレストラン、お昼12時を過ぎるとほぼ満席でランチをするビジネスマンが多い印象。混雑してくるとサーブがゆっくりになり、スープの次がなかなか来ませんでした。スペシャルコースは余裕をもって参加してください。
ガイドツアーはプレゼントつき
ガイドツアーにはお土産もついています。公会堂ショップへ引換券を持っていき、イラストが入ったクリアファイルをいただきました。
![プレゼントでいただいたクリアファイル](https://aroundkansai.com/wp-content/uploads/osaka-chuokokaido-guidetour_d2.jpg)
プレゼントでいただいたクリアファイル
このクリアファイル、ショップで278円(税別)で販売されているもの。コースランチもついて料金2,000円なんてお得すぎます!ちなみに500円のコースも同じプレゼント付きです。
大阪中央公会堂 ガイドツアー
10:00~10:30(受付9:45~)
11:00~11:30(受付10:45~)
定員:約30名
受付開始日:開催日の前々月1日9:30より
申込み方法:Web、電話
公式サイト:大阪中央公会堂
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